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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-52


コオッ!!

シュンッ・・

(病室の前で、舞う。 病衣の裾と、青葉の足先が見えた。
一瞬で姿を消したそれらに。 気づく者はおらず。
病室の中には、魔法が創り出した青葉が、変わらず眠っていた。)

(機械音が静かに鳴る中。 看護師が、何事も無かったように、
廊下を通り過ぎた。)

***

「やすやすと、境界を超える者もいる。」

(晃は、青空の下微笑み。
風見市全体を覆う、結界を把握しながら。
FOTメンバーの位置を確認し。)

(数馬の行き先を見て、微笑んだ。)

「数馬は、すっかり溶け込んでいるな。」

(数馬は、蒲公英一家と共に、
広場でレジャーシートを広げ始めた。)

(大きな、緑の樹を中心に、
人々は集い。 祭りの賑わいを見せている。)

(手作りのお店から漂う香り。 華やかな色彩が、
辺りを覆う。)

(数馬は、夢の中のように、幸せな光景の中に居た。)

「そして、努力する者も。」



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