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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-56


(変化があったと思ったのは、一瞬の出来事だった。
紫苑はまた、いつもの様子に戻っていた。)

「ごはん美味しそう。 楽しみだね。」

(夏樹は、瞬き。 頷いた。)

「うん。」

(楽し気な笑い声、人々の賑わい。 音楽隊の演奏が響いてくる。)

「手作りのお店も、たくさん並んでいるんだって。

見てみたいな。」

(夏樹が、興味を持った様子に、紫苑も嬉しくなり
微笑んだ。)

「うん。 そうだね。」

(紫苑は微笑んでいた。 だが、
胸の奥が、ちくりと痛んだ。)

『誰・・。』

『わたしの中に、誰かがいる・・。』

『今・・、何をしたの・・?』

(紫苑は、無意識のうちに、青葉にメールを送っていた。)

(その行動を、紫苑に止めることは、出来なかった。)

トクン・・トクン・・



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