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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-59


ワンピースのまま寝そべった。)

「ピヨッ」

(ぴよは青葉を気遣い、頬に、ふわふわする羽毛の顔をうずめた。)

「・・ふぅ。 ・・ふぅ。」

(青葉は、思うようにならない身体に、目を閉じた。)

「今日は、夏樹くんのお誕生日。 きっと、お祭り楽しいね。」

(青葉の心に、急に寂しさが込み上げた。)

「どうして、わたしじゃないんだろう・・。」

「夏樹くんの隣にいるのは・・。」

(青葉は、細い指先で。 ぴよを抱き寄せた。)

「だめ・・。 声を聴いたらだめ・・。」

(青葉は、自分の不遇を嘆く気持ちと戦った。)

「わたしの“欠片”には意味があるの。」

「夏樹くんが、そう教えてくれた。」

「・・声を聴いてはだめ・・。」

(青葉は、シーツに顔を埋めた。)

【くっくっくっ・・。】

【かわいそうに。 ・・なぁ。 お前は、孤独だ。】



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