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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-60


【誰にも、想いは届かず。】

【誰にも知られずに・・、消える・・。】

(声の主は、残酷に微笑んだ。)

【儚い花だ・・。】

***

(夏樹は、青空の下、紫苑と並んで歩いた。)

『深い“闇”が心を覆い。

見えていたものを見えなくする。

光を失い。 希望を失わせる。』

『すべては、心ひとつ。

同じ景色も。 違って見える。』

(夏樹は、胸元を撫でる海風を感じ、目を細めた。)

『今は、失ったように。

見えるだけ。

僕たちは、何も失ってはいないはずだ。』

(血の通わぬ身体に、胸に眠る。 “鍵”と呼ばれる。
巨大な“時の欠片”。)

『信じることが、出来るならば。

きっと、それは、そこにある。』



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