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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-61


(死にゆく身体は、“時の欠片”が生かしているだけだろうか。
夏樹は、その奥に眠る。 自らの命の存在を信じた。)

『幸せは、ある。

僕たちは、誰もが。

幸せになれるはずだ。』

(夏樹は、歩き、賑やかな人々の中に。 足を踏み入れた。)

「楽しそうだね。」

(色とりどりの風船や、旗。 太陽に反射する鮮やかな色彩。
目の前を音楽隊が通り過ぎ。 明るい音色を奏でながら、
夏樹と紫苑に会釈した。)

「うん///」

『でなければ、僕たちは。

何のために、生き。 頑張っているのだろう。』

(夏樹は、自らの意志で生きていることを。 “鍵”を失っても、
生きることが出来ると。
信じてみたかった。)

『信じてみたい。』

『信じている。』

***

「・・夏樹くん。」



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