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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-64


「ずっとね。 メールで励ましてくれていたの。」

「昔、病院で会ったことがあって。」

「仲良くなったんだよ。」

(青葉は、数少ない大切な友のことを想った。)

「風見市に住んでいるんだって。 教えてくれた。 そうだね、

紫苑ちゃんと同じ街だね。」

「お家の人の関係で、遠くにいるからって。」

「詳しくは話せないんだって、ずっと内緒にしてたの。」

「ふふっ。 わたしもそう。」

「パパは、今は、別の人と暮らしてる。」

「ママが亡くなってから・・、わたしを大事にしてくれるけど・・。」

「ママと、わたしのことは・・。」

「みんなには、内緒なんだって・・。」

(青葉は、細い指先で、ぴよを撫でた。)

「パパが、総理大臣だなんて。」

「言っても、誰も信じないと思うけど。」

(青葉の透き通る瞳が、ぴよを見つめた。)

「きっと・・彼女。」

「音々ちゃんにも、大事な秘密があるの。」



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