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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-65


(青葉は、ぴよの青い羽毛に、顔をうずめた。)

「紫苑ちゃんと同じく、大切なお友達・・。」

「最後に会いたいの。」

(青葉の言葉に、ぴよは心配そうに鳴いた。)

「ピヨ」

(青葉は微笑み、呼吸を整え。 目を閉じ、ぴよを撫でた。)

「大丈夫。」

「夏樹くんが、いるからね・・。」

***

(ジェットコースターが下りてくる、大音響と音楽隊の音。
メリーゴーランドの賑やかな音楽。)

(人々の喧騒、笑い声。)

(すべてが重なり、反響する。)

(光と、音にあふれる空と、大気に注ぐ、太陽の熱。)

(ふとすれば、一瞬。 時間や自分を見失いそうになる。)

ゴウンッ

(揺らめき反射する、光の中で。
少女は、外界から自らを閉ざすように。 イヤホンから聞こえる、
お気に入りの音楽に、意識を集中させた。)

ピコンッ



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