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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-69


(音々は、携帯を見て。 考えを変えた。)

「帰らない。 夜までいる。」

「友達に会うから。」

(取り巻きの女の子たちは、顔色を変えた。)

「えっ? 誰? 女の子?」

(音々は答えず、遊園地の周囲を見渡した。)

「めずらしいな。 音々が誰かに会いたいなんて。」

「友達?」

(冷やかす冬也に、音々は、目もくれなかった。)

「俺たちだって、友達だよな〜♪ 音々ちゃん。」

(麗はにこやかに笑ったが、音々は。 冷やかな視線で、辺りを警戒していた。)

「あんたとは、くされ縁。」

(女の子たちは、音々の様子に気づかず。 音々の袖を引き。
音楽の聞こえてくる先へ。 手作りの店が並ぶ。 良い香りが漂う広場に向け。
歩き出した。)

「ね〜v 音々〜v お腹へった〜v」

「なんか食べよ〜!」

「向こうにお店がいっぱいあったからさ!」

「麗くんがおごってくれるって言うからさ♪」



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