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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-70


「行こうv 行こう!」

(音々はため息をつき。 つぶやいた。)

「・・、暗くなる前に帰りな。」

「あたしは、残るけど。」

(麗は、アイスクリームを片手に。 瞬いた。)

「どした? 何かあった?」

(音々は舌打ちした。)

「父の匂いがする・・。」

(麗は瞳を開き。 冬也も一瞬、顔色を変えた。)

「・・、それって?」

(麗の手から、溶けたアイスクリームの滴が。 コンクリートの地面に落ちた。)

「ヤバイってこと。」

『何で、こんなド田舎に。 連中の気配がするんだよ。』

『青葉が来ることに、関係しているかも。』

(麗は笑って、溶けたアイスをなめた。)

「じゃあ、なおさら。 可愛い音々ちゃん一人、残していけないねぇ。」

「お友達と、無事会えるまで。 残るよ。」

(にかっと笑った麗に、音々は鼻で笑った。)



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