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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-72


「秘密を共有しているから。」

(微笑む音々の頭上には、まだ太陽の光があった。)

『あたしの寂しさに。 気づいてくれたから・・。』

(だが、観覧車から遥か遠く。
風見市の向こう。 僅かな雲が。 立ち込め始めた。)

(今は小さく見えたが、遠く、わずかに、雷のように。
光がほとばしるのが見えた。)

「さ〜て、明るいうちに、楽しむかね〜。」

(彼女と歩き出す、冬也に。
麗は声をかけた。)

「お! 冬也、一緒に食いにいかね〜か? 彼女もv」

(音々の取り巻きの女の子たちも誘った。)

「そうだよ♪ 松陰くんも一緒に行こう♪」

(冬也は彼女の肩を抱き、背を向けて。 手を振った。)

「じゃましないで。 この世が終わる前に。

彼女といちゃいちゃするから。」

(彼女は不思議そうな顔で、冬也を見上げた。)

「あの人たち、冬也の友達?」

(二人は歩き出し、冬也は笑った。)



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