HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-74
「お・・おう。」
(数馬は瞬き。 蒲公英の隣で、窓を見下ろした。)
「お姉ちゃん、どこにいるかな?」
(蒲公英の言葉に、桜が二人の後ろに寄り添い。
窓を覗いた。)
「そうね。 紫苑ちゃん、いるかな?」
(数馬は、背中から包み込む。 桜の優しい香りに、
胸が高鳴った。)
「ん・・。」
(そして、誠司が、間近に覗き込んだ。)
「どれどれ。 あそこかな?」
(桜は微笑み、蒲公英も笑った。)
「ふふっ。」
「きゃははっ///」
(間近に触れる家族の体温に、数馬は胸がいっぱいだった。)
(言葉少なに、たたずむ数馬に。
誠司は微笑んだ。)
「楽しい? 数馬くん。」
(数馬は、大きな茶色の瞳を輝かせ。 窓越しに反射する。
観覧車から見える、色彩を瞳に集めて頷いた。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』