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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-75


「うん!」

(数馬は、蒲公英の家族に包まれ。 眼下に見える、
風見市の人々の存在。 鮮やかな色彩に、満ちる、祭りの様子を
胸に飲み込んだ。)

『オレが守るんだ。』

『この街も。』

『ちびのことも。』

(数馬の、FOT No.8と刻まれた、赤い羽根のピンバッチが、
お気に入りの帽子に光っていた。)

(数馬はそっと、帽子に触れ。 蒲公英を見て
頷いた。)

「ちび。 手を離すなよ。」

(蒲公英は、明るい茶色の瞳で頷いた。)

「うん!」

***

ゴウンッ

バササッ・・ バサッ!

(空を切る様に舞い降りる、二つの影に気づく者は居なかった。)

「わぁっ! きれい〜っ!」

「見て! まこっ! 風船っ!」



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