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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-8


『いつか僕がここにいたことも、忘れられる日が来ても。』

(紫苑の柔らかなレースのスカートを、明るいベージュ色の髪を
潮風が、舞い上がらせた。)

『想いは、残るだろうか。』

「ん?」

(紫苑が気づき、夏樹に振り向いた。)

「くすっ。」

(夏樹は、自分に、笑った。)

***

「あなたの強さを知りたい。」

「なぜ、戦えるの。」

「すべての人が、幸せになることの出来ない・・。」

「この世界で。」

「求めても、何一つ、得られないこの世界で。」

『・・、その強さを。 私に教えて。』

(それは、彩自身が、自らに問いかける願いだった。)

***

『今、君に受け止めてもらえたら。 他に、何もいらない。』



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