HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-85
「・・・っ。」
『おかしい。』
『FOTの周りに、何かいる。』
***
(善は、雑踏の中、目を細めた。)
「くっ・・くっ・・。」
(善の口元は、不敵に笑い。 その瞳は。
人波の向こうへ。)
(目に見えぬ、次元の向こうを
透視するようだった。)
『不幸な星の下に生まれた人は、
不幸な人生を歩む。』
『幸せな星の下に生まれた人には、
一生なれないんだ。』
(善は、ふと。 遠い記憶の中で耳にした言葉を
思い出した。)
(なぜ、それが今甦ったのか。
忌々しい記憶に、善は、唇を噛んだ。)
「(チッ・・) 捨てた国のことを、思い出すとは・・。」
「・・。 地上のゴミくずどもを目にしたせいだ。」
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』