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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-12


(海の上に、銀の光を投げる。)

(眩く海面を反射する光は。 トワの零す、時の砂に似て。)

(朝日の向こうに、海の向こうに伸びて行った。)

(光は、風見市の沖から、遠くへ。 高く。)

(風見市のある、地上の国を照らす。)

***

ザザーンッ

(地上の国には、四つの大陸があった。)

(風見市のある国は、その中でも、小さな大陸だ。)

(第一国、第ニ国、第三国、第四国、と呼ばれる大陸に分かれる。
地上の星の中で。)

(紫苑の暮らす、風見市は。 第二国の小さな島国の中に存在している。)

ザンッ・・

(太陽は、風見市の沖から。 島国を映し出した。)

(そして、遥か彼方。)

(最も大きな大陸を有する。 第一国の上へ。)

(広大な土地を抜けた先、山奥にそびえ立つ。
巨大な石造りの黒壁が続いていた。)

(人里離れたその地に。 山肌に沿う、黒壁の道を。 登る人は居ない。)



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