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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter103 『四神』 103-14
「沙羅の元へ。」
(男が囁くと。 宮殿に施された、格子の門が、開いた。)
ギギギッ
(黒い木で出来た、美しい模様を映し出す、格子の門は。)
(特別な術が施され。 施錠されているが。)
(宮殿の主に仕える、その男を。
黒い門は、通した。)
ガチャンッ・・
(男を通すと、門は、閉じた。)
(門の向こうは、美しく広大な庭だった。)
(木々に覆われた向こうに、宮殿へと続く、
入り組み作られた、黒石の回廊。)
(回廊は、中庭の中央に浮かぶ、池を包み。
遠い宮殿まで、通じていた。)
(だが、回廊を渡れる者は、少ない。)
「ムユウ様・・。」
(男の到着を、予見していた、
一人の女官が。 出迎えた。)
(男は、回廊の入口に立ち。 続く先、
目的の地。 黒い柱と瓦屋根が覆う、宮殿へ。 待つべき主が居るであろう、
宮殿から、池へとせり出す。 主がお気に入りの場所を遠く眺めた。)
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