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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-19


(沙羅の動きに合わせ、女官達が歩を進めた。)

「哀れな男じゃ。」

「あの男の、心が壊れれば。」

「第二国の“結界”は、壊れる。」

「今はまだ、他国を結ぶ道はある。」

「・・それも崩れれば。」

(沙羅は歩み、悠久の時を刻む、回廊から、
視線を上げ。)

(その先へ続く、異国への“扉”を見た。)

「我が国にも、“闇”が訪れよう。」

(沙羅の額に刻まれた、赤い文様が、花開き輝いた。)

「人の争いは、人に委ねる。」

「人ならざる者の争いは。 人ならざる者の手で。」

「収めること。」

「それが、我らがルール。」

(沙羅は、結われた長い黒髪を揺らし、
繊細に彫られた、白檀の扇子を開いた。)

「《四神が集い》へ。 我を通せ。」

ゴオッ!



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