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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-21


(沙羅の視線に、無憂は思いを巡らせた。)

(四神を動かすことさえも、聖の策略ではないか。)

(沙羅の身に、危険が迫ることを予感した。)

「お供致します。」

(沙羅は微笑み。 顔を上げ、
光の示す、出口の扉を目指し、輝く道を歩いた。)

ゴオッ・・

(道を創った者の残り香が。 束の間、沙羅の元に届いた。)

「何を想う。 聖よ。」

「世界を残し。」

「どこへ消えた・・?」

(問いかけたが、バラの香りは、掻き消えた。)

ザザザッ

(沙羅の去った第一国の宮殿に、《四神の集い》へと続く道に。)

(新しい、強い香りを残した。)

***

ゴオオオォォォォーッ!

(第三国の夜が、明け始めた。)



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