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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-22


(強い風が、砂漠を吹き荒れた。)

(砂嵐の向こうから、風を切り、羽ばたく。
強い翼がある。)

バサッ・・!

(風を破り、主人の元へ、舞い降りたのは。
大きな翼を持つ、ハヤブサだった。)

「キキキッ」

(鋭い爪で、主人の肩に降り立つと。 翼を収めた。)

「ファルコン。」

(ハヤブサの主は、まだ幼い少女だった。)

「第四国の“王”から、“我が君”へ、」

「集いを求められたか。」

(少女は、ハヤブサから、伝言を受け取った。
それは、手紙ではなく。 特別な力により、想いを直接届けるものだった。)

「急ぎ、“我が君”のもとへ。」

(少女が腕を広げると、ファルコンは再び、
翼を広げ、大空へ舞い上がった。)

(同時に少女は、羽織る白いマントを翻し
白馬を走らせた。)

(被っていた、白いマントの間から、
少女の強く、黒い瞳が見えた。)



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