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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-23


「はっ。」

(白馬を駆る、少女の。 白いマントが。
白い砂漠の上を行く。)

(風が揺らす、マントの下で。
幾重にも、結われた。 細い三つ編みが、揺れていた。)

(太陽は、間もなく、砂漠の大地を照らし、
広大な、国土を映し出す。)

(金色の煌めきが、少女の瞳を映し、
白いマントの下に見える、少女の美しい金の装飾。
赤や黄色の色彩を成す、煌びやかな石飾りを見せた。)

「キキーッ」

(ファルコンが、少女の上を守るように飛んだ。)

(眩い太陽は、砂漠を照らし、
その先へ。)

(少女の目指す、白亜の宮殿を、照らし始めた。)

(強い、砂嵐の向こうから、目に飛び込んで来たのは、
巨大な。 ドーム状の屋根を持つ、美しい宮殿だった。)

(宮殿は、砂漠の先。
巨大な岩肌の険しい、崖の上にそびえていた。)

(崖の向こうには、オアシスがあり。
白亜の宮殿からは、国土を見渡すことが出来る。)

(オアシスには、街があり。 石造りの家々が並んでいた。)



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