HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-27


(四神の集いに、行けることは、パートナーと認められることと同じだった。)

(インディゴの熱い視線の前で。
ジンは涼やかに微笑んでいた。)

(上る太陽と共に、熱と、色彩を帯びる、国土は美しかった。)

(インディゴは、ジンを見つめ、息を飲んだ。)

(開かれた宮殿の向こうには、続く、広い庭園がある。
中央に貫く、水路に、映る宮殿の輝き。)

(崖の向こう、オアシスのある、街へと続く裏手に。
入り組み流れる川があった。)

(川面にも、時と共に、色彩を変え。 宮殿が反射していた。)

「キーッ キーッ」

(ファルコンが見送り、インディゴの肩から飛び立った。)

(白亜の宮殿と、空、水、砂漠は色彩を変え。)

(薄紫から、ピンク色に。 そして、黄金色に染められた。)

(金色の輝きに、ジンは、聖の存在を思った。)

「つかまれ。」

(異空間扉に踏み入れる前に、ジンは、インディゴに手を伸ばし。
大きな褐色の手で、肩を抱き寄せた。)

「はっ・・!」

(インディゴが息を飲んだ瞬間。 力強い腕の力で。 ジンの胸に抱かれていた。
褐色の肌に、鋭く強い黒い瞳。 青いターバンから覗く視線と、体温に包まれ。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ