HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-31


(面倒くさそうに、遺体を足で避けると、
続けて倒れてくる男を、腕で、払った。)

ドサッ!

トッ トッ・・

(長身の男は、すぐさま顔を上げ。 自らの整う服に
汚れが付くのを嫌い、ナイフを振った。)

「・・く、“黒の騎士”」

(倒れた男の、奥。
迷路の先へと進もうとした賊の男たちも、
言い終わる前に、“黒の騎士”と呼ばれた男に切り倒されていた。)

ドシャッ

(黒いフードの男たちは、ただの人間ではなかった。
能力者たちだ。 だが、王を守るよう、命じられた男の。
手にした青く光るナイフは、特別な力を持ち。)

(能力さえも、“黒の騎士”には通じなかった。)

バッ・・ ザシュッ・・!

(跳躍し、同時に幾人もの賊を、手に掛けた騎士は。
華やかな金の装飾に彩られた、黒のマントを翻し。)

(着地した。)

(栗色に輝く長い前髪、青い瞳がガラス玉の様に光り。
人形の様に、白い肌に。 流れる前髪の奥で、青く瞳が揺れるのを、
口もとが、僅かに笑うのを見た時には、
賊は、一人を残し、皆絶命していた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ