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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-32


『・・!』

(栗色の髪の騎士の、青い瞳が瞬き。
立ち止まった。)

(取り逃がした賊の、最後の一人がよろめき、
顔を上げた先に。)

(一人の、眩く程美しい女性が、ランプを掲げ立っていた。)

(賊の生き残りは、黒いフードを取り。 目の前に現れた輝きに、
目を奪われ。)

(その者の、命を奪いに来たことを、忘れ去った。)

「・・ローズ、あなたが、

我が国の、“能力者の王”。」

「なんと・・、美し・・。」

ドッ・・!

(“黒の騎士”が仕留め損ねた最後の男は、
女性の横から、姿を現した。 もう一人の騎士により、倒された。)

「ぐっ・・、“白の騎士”・・」

(白い服を身に纏う騎士は、鋭く長い剣を手にしていた。)

(美しい装飾の施された剣は、深く、黒いフードの男を貫き。)

(背後にいる、“黒の騎士”に、血飛沫を浴びせた。)

「ハロルド!」



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