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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-35


(ダニエルの指には、銀の指輪がはめられていた。)

(その手を掴む、ハロルドの指にも、
同じ指輪が光っている。)

「ふふっ。」

(二人の様子を目にしていた女性は、微笑み、ランプを揺らした。)

(気づいたダニエルが、ハロルドの手を払い、振り向いた。)

「“外の連中”は、あなたを、“ローズ”だと。」

「四つの国を司る、この世界の能力者を束ねる“王”だと。」

「思っている様で。」

「あなたを倒せば、世界を手に出来ると。」

「ここを目指して来る。」

(ダニエルの青い瞳が、見開いた。)

「“白きバラの女王”と。」

(言われた女性は瞬くと、肩を揺らし笑った。)

「くすすっ。」

「この世を統べるは、“赤きバラ”」

(美しく豊かな髪が靡き、人形の様に白い手で、
煌びやかなドレスの裾を引き上げた。)

「“王”がお待ちです。」



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