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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-39


(沙羅は、艶やかな黒い瞳で、ジンを見た。)

「“鍵”を持つ子供が。 止めたそうじゃ。」

「よう耐えた。」

「その子供は今?」

(ジンは首を傾げた。)

「死んだという報告は来ていない。」

(ジンは、子供の事よりも、沙羅の様子に興味を引かれた。)

「どうした、興味があるのか?」

「ガキは嫌いだっただろう。」

(沙羅は機嫌を損ね、陶器の様に美しい白い頬を、
膨らませた。)

「・・あの男を狂わせたものが。 どれ程のものか、

知りたいだけじゃ。」

(二人の話を聞きながら、インディゴが、ジンの後ろで
興味深げに、沙羅を見た。)

「沙羅様。」

「お久しゅうございます。」

(赤い民族衣装を纏う、少女の褐色の肌に、黒い瞳が輝いた。)

「“鍵”を持つ、子供ですか?」



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