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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter103 『四神』 103-41
(ジンは笑った。)
「沙羅、無憂。 二人は、相変わらず、山奥にこもっているのだろう。」
「人里離れ、暮らすのも良いがな。」
(ジンは、インディゴを連れ、歩き。
先だって案内する、この城の女主人、シャムロックの掲げる、
ランプの灯りが、照らす先。)
(灰色の城壁に、浮かび上がる、広間の灯りを
見上げた。)
「ジジイの様に、全てを捨てねば。
人の欲は、どこまでも付いて来る。」
(沙羅はため息をついた。)
「確かに、ローズとシャムロックの様に。」
「この者たちの様に、肉体を捨てねば。」
「“闇夜”の中に、彷徨う人間を。」
「同胞を。 守っては行けぬであろう。」
(沙羅は、涼やかな瞳で、シャムロックと、シャムロックに付き添う、
二人の騎士を見た。)
(剣を手にする騎士の、雨粒を弾く肌。)
(ランプを手にする美しいシャムロックの指先。)
(人間と見紛う、この城に住む者達は、皆。 その身体を機械に作り替えていた。)
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