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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter103 『四神』 103-43
「ローズ。」
「息災で、何より。」
(沙羅が声を掛け、席に着いた。)
「そなたは、
まだこちら側には来ぬか。」
「沙羅よ。」
「その美貌、失うには惜しかろう。」
(魂の他、全てを。 世界を見守るため失った王は。
穏やかに微笑んでいた。)
「相変わらず、美しい。」
(特徴的に、カールした赤く長い髪。 灰色の目が、
年月を刻む、頬に。 優し気な表情を生む。)
(ローズは、沙羅をからかう素振りを見せ。
大らかな笑顔を向けた。)
(世界を統べる“王”は、温かな人物だった。)
「相変わらず、ふてぶてしい、面構えじゃな。」
(沙羅は、右手の席から。 玉座に座る、ローズを見た。)
(インディゴは、黒い瞳で瞬き。 その様子を見た。)
「ジン様、ローズ様とは、姫君ではなかったのですね?」
(インディゴは、小声で問いかけ。 ジンは笑った。)
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