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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-54


「坊ちゃま。」

(時折見せる、ゲームを楽しむような顔に。
反町は、ノーと言えなかった。)

(幼い頃から付き添い、見守って来た。
賭けに負けるとも、力になりたかった。)

(いや、必ず。 勝たせなければならない。)

「相手は、王族だという。

一体どこの国の?」

(商談の相手は、正体を隠すことも多かった。 だが、
今回ばかりは、嘘にしては大きな嘘だ。)

(取引の対象も。 商談の場まで、秘密とされていた。)

(報酬は、王族であれば、払えるだろうと思われる額だった。)

『何もかもが、嘘ではないか。』

(主の興味を誘い、まんまと罠にはめるつもりではないか。 反町の疑念は、
晴れなかった。)

「この街にも、表と裏の顔がある。」

(湊吾は、部屋を横切り。 テーブルの上に置かれた。
資料を掴んだ。)

「この世界も同じ。

俺達が、相手にするのは、

裏の王だ。」



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