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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter103 『四神』 103-58
(覚悟を決め。 長く美しい指先が。
強く。)
(湊吾の首に、ネクタイを締める。)
キュッ
「湊吾様。」
(身なりが整った、湊吾は。
反町を従え。 黒い鞄を手に。
広い洋館を出た。)
キキッ バタンッ
(表には、黒い車が待っていた。)
「お坊ちゃま。」
(運転手が、湊吾のためにドアを開き。
車に乗り込む。)
「ホテル・グランド・ベイへ。」
(湊吾の言葉に頷き。 屋敷の前から車が出た。)
(玄関で、見送る女中が、頭を下げた。)
***
ゴォォォーーッ
(第四国を覆う、厚い雲を抜け。
クリーム色の淡い光が遠く。 強く輝き、海を越えた。)
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