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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-6


「トワ・・?」

(夏樹は驚き、瞳を開いた。)

(子供の姿と、老人の姿。 姿は違えど、その瞳の煌めきは、同じだった。)

【そう。】

(夏樹は、思いあまり、トワに詰め寄った。)

「・・っ、ぼくは、ここにいたらいけないんだっ!」

「みんなをくるしめるから・・。」

「いないほうがいい。」

(トワは微笑み、美しい砂の向こうで、夏樹を見た。)

【誰かと比べるから、そう思うんだ。】

【ここには、君しかいない。】

【僕は、存在しない。 《時の番人》だからね。】

【僕は、君であり。】

【君は、僕だ。】

シャーンッ

(美しく輝く砂が舞う。 トワは、幼い夏樹の記憶を通し。
牢獄の中へ、移動すると。 捕らえられた、高校生の姿の夏樹の前に、降り立った。)

(地下深く、強固に守られたその場所に、踏み込める者は、誰も居ない。)

【死にたいかい?】



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