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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-60


(黒く塗られた、車窓は、
外から中の様子は見えず。)

(港町の灯りを、反射させながら。)

(海に面する、大きなホテルの、
正面へ、乗り付けた。)

(ホテルからドアマンが近づき。
一般の客を迎える様に、丁寧に。
緑色の服を着た長身の男を。 ホテルに迎え入れた。)

「ようこそ。 いらっしゃいました。」

「お支度は、整っております。」

(長身の男は、会釈し。 ホテルのロビーに足を踏み入れた。)

「先方も、間もなく到着されます。」

(報告に頷き、緑色の服の男は、豪華なホテルの、
フロア全体を見渡し。 男たちを従え、先へ進んだ。)

「横濱商会、社長には。

大変お世話になっております。」

「この様な場を設けて頂き。」

「我が主様が、感謝していたと。

伝えて頂きたい。」

(交渉に際し、この場を設けたのは、湊吾の父親である。
横濱商会の社長であった。)



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