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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-70


「第一国の、“能力者”の“王”。

“沙羅”様に仕える。」

「能力者でございます。」

(人ではないことを明かしても、
会話の出来る相手だと。 無憂は二人を見定めた。)

「能力者。」

(湊吾は息を飲んだ。)

(この男が言う、能力者とは。 人に芸を見せる、
手品や、超能力とは違う。)

(人間ではない、力を持つ者のことだ。)

(にわかに、信じがたい事実であったが。)

(父が取引する仕事には。 裏社会の他。
この者の様に、人ではない者も。 含まれていると聞いた。)

「この道に、大変な才をお持ちだと。

父君も我々の世界に、理解をお持ちだった。」

「ビジネスにおいては、

陰も陽もない。 互いの利害が一致すれば。」

「触れ合うべき世界に居ない者であっても、」

「手を結ぶことが出来ましょう。」

(無憂の黒い瞳が、鋭く光った。)



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