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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter103 『四神』 103-71


(無憂は、湊吾の想いを、伺い。
澄んだ瞳を覗いた。)

「父君には、幾度もお力をお借りしました。」

「横濱殿は。」

「あなたに、託すようにと。」

(湊吾は真剣な瞳で。 無憂の話を聞いた。)

「正し、あなた様が、我々を信じることが、出来るのならば。」

「あなたはここへ来られた。」

「見込み通りのお方の様だ。」

(無憂は、湊吾に出会った時に。
依頼すると。 決めていた。)

「ゆくゆくは、父君の後を継がれると。 私どもと、手を携えて頂ければ、

これからも、お力になれましょう。」

「あなたならば、信用できる。 何しろ、

私の命よりも、大切な品ゆえ。」

「道中。」

「逃げ出すもの。 懐の中を見えないものでは。 預けることは、出来ません。」

(無憂は顔を上げた。)

(両手を組み、視線を定める姿は。 崇高な、僧侶のようだった。)



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