HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter103 『四神』 103-74
(責任の重さと共に、横濱商会が選ばれたことの意味と。
誇りを覚えた。)
「条件は、如何ですかな?
飲んで頂けますか?」
「命の保証は、出来かねますが。」
「“風見市”まで届けば。
あなた方の無事は、保証される。」
(両手を組む、無憂は、湊吾に微笑んだ。)
(湊吾は、運ぶべきものが、無憂にとって、
世界にとって、いかに大事なものか、感じた。)
(覚悟を決め、だまって見つめ返す、湊吾に。
無憂は、続けた。)
「陰のものゆえ。
真っ当なルートで運ぶわけには行かないのです。」
「守って頂きたいのは、“悪”からではない。
あなた方の国の、“正義”から守って頂けますか?」
(それが、横濱商会を選んだ理由だった。
世の中には、様々な正義が存在する。)
(それは時により、臨機応変に、受け止めるべきものだ。)
(社会に取っての、正義が。 本当に正しいとは限らない。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』