HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-10
トッ
ギギッ・・!
(控えていた者が、滝川の前で、
巨大な、本会議室への扉を、左右から開いた。)
ガチャッ
(眩いシャンデリアが照らす、場内の灯りに。
目まいを覚える。)
(すでに本会議室に着席している者たち。 室内に居る無数の男たちの、
漂う熱気。 煙草の残り香。)
(混じり合う香りが、ひと息に扉から流れ。 滝川に押し寄せる。)
(熱い視線。 敵意と期待。)
(香りと共に、滝川に届き、刺さるものに。 滝川は笑みを抑え。
目線を前に定めた。)
トッ トッ
(滝川は、スーツを靡かせ、席に着いた。)
(間もなく、視線の先に。 議場の中央に、その者は現れた。)
(本会議が開かれる議場に集う、無数の者たち。)
(半円形の議席から。 中央の演壇を睨んだ。)
「石垣。 少し待て。」
「もう少し時間は掛かるが。」
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