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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-9


(滝川は、自らの陣営を前に、石垣を思い。
ほくそ笑んだ。)

「“鍵”を味方に付けるのだよ。」

(滝川は、石垣が施した策を、利用しようとしていた。)

「まずは、無効化せねばなるまい。」

「抑えることが出来れば。」

「出してやろう。」

「方法は、幾らでもある。」

(その言葉に、最後に陣営に加わった、大臣の一人が、恐れをなした。)

「化け物を、再び野に放つというのですか?」

「そんなっ・・。」

「やっとの思いで、捕らえたのに・・。」

(扉を前に、立ち止まり。 滝川は、鋭い視線を向けた。)

「石垣の力を削ぎ。」

「聖に最大の恩を、売るためだ。」

(滝川の視線に大臣は身震いした。)

「君。 相手が何を望んでいるのか。」

「見極めなければいけないよ。」



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