HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-101
(男は、叫び声を上げる前に。
海の藻屑となっていた。)
「・・ひぃっ!」
(運転手は、震えあがり、ハンドルにしがみ付いた。)
(湊吾の言いつけを守り、アクセルを踏み続けた。)
(恐怖で、汗が流れる。)
キイッ
(沙羅は、少し、外の空気を吸って来た。
とばかりに、涼し気な顔で。)
(表情を変えずに、再び。
反町の隣に、腰を下ろした。)
「ふぅ・・。」
「どうした?」
「橋は、超えたのぅ。」
(沙羅は、満足気に。
心地良さそうに、反町の隣に掛け。)
(目を見開く、湊吾に、笑いかけた。)
「先を急ぐか。」
「時間は、あるまい。」
(沙羅の問いかけに、湊吾は頷いた。)
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