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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-103


(白竜は、頷き。 車を進めさせた。)

「はい。」

ブーッ ブーッ

(翼は、再び走り出した、湊吾の車を、前方に捉え。
視線の先で、手元の端末に指令が下ったのを見た。)

「さて、ゴーサインが出たぜ。」

「派手に、行くか。」

(翼はニヤリと笑い、サングラスを片手で押し上げた。)

***

「聖から、全権を与えられておる。」

(沙羅の艶やかな黒い瞳が、
湊吾を見て、微笑んだ。)

(額に赤く光る、花の文様。 血の様に鮮やかな赤い化粧が、
目元と口元を彩る。)

シャーン・・

(湊吾の車には、まだ冷たい覇気が残っていた。)

「わらわが、後見人となる。」

(沙羅は、視線の向こうに。
彼方。 夏樹の存在を意識していた。)

(沙羅の瞳が笑った。)



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