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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-110


(頭上の青空と、白い雲の間に。 淡い光の輝きが。
薄く、幾重にも見える。)

(導き出された異空間通路が、幾つも繋がり始めていた。)

(海を渡り、風見市へと続く。 白い橋の方から、
こちらへ向かってくる幾筋もの淡い光。)

(それとは別方向に、伸びる光の道がある。)

(沙羅が追手を、引き付けている間。 どこかの道を、夏樹が通り。
FOTの屋敷へと運ばれるはずだ。)

「夏樹くん・・!」

(紫苑は、ソラ達と共に、周囲を警戒しながら、祈った。)

***

「ママっ。」

「あれ?」

(蒲公英は、白い二階建てアパートsnow dropの中庭で青空を見上げた。
きらきらと光る道筋が。 大きな蒲公英の目に映る。)

(桜は蒲公英の肩を抱き、きゅっと身を寄せた。)

「帰って来るわ。」

「きっと。」

(桜は願い。 数馬は、二人を守るように、snow dropの前の道に。
仁王立ちした。)



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