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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-112
(誠司と、勝は。 滝川の秘書、青木に連れられ。
地下牢への入口に立って居た。)
「ここか。」
(暗く重く、閉ざされた黒い扉が。
三人の前に、立ちはだかる。)
バシャッ
(すでに勝はカメラを構え。 国税により造り上げられた、
恐ろしい牢獄の存在を。 写真に収めていた。)
「酷い所ですね。」
(誠司は吐き気を覚え、黒い扉を前にうつむいた。)
「たった一人。 子供を閉じ込めるために造った、
牢獄だ。」
「金になる“力”を手に入れるために。」
(勝は、吐き捨てる様に告げた。)
「合図を。」
(浅くなる息を整え。 誠司は、唾を飲んだ。)
「一刻の猶予も無い。」
(夏樹の命は、消えかけていると感じた。)
(能力者ではない、誠司でさえ、その場に立って居るだけで、
身体が痺れ、汗が流れた。)
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