HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-116


ゴボッ

(黒い波の中に開いた、淡い黄色に光る扉から、
白が姿を現し。 晃の代わりに、誠司と、勝、青木を守った。)

「あんたたちが・・FOT!」

(勝は、辛うじて意識を保ち。 まだその手にはカメラが握られていた。
だが、強い波にレンズは破壊された。)

「・・うっ・・。」

(やがて、勝も、青木も意識を失い倒れた。)

「・・大丈夫〜・・だよ・・。」

(白は勝に微笑み、虚ろな白い瞳を揺らした。
瞳の奥に、淡く光る輝きを。 勝は、意識を失う前に見た。)

「待っててね〜・・。」

(白は、異空間扉から。 三人を無事な場所に送り出し。
扉を閉め。 自らは、黒い波に向かい、立ち上がった。)

ビシュシュシュッ!

(鋭い、水飛沫が、白の身体を包み込む。 激しい流れとなり、
白を守る、ベールとなった。)

ゴオオオーッ!

(水のバリアは、“障壁”の中で、長くは持たない。)

(白は、呼吸が困難になり、身体が痺れるのを感じた。)



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