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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-117
「・・夏っちゃん・・。」
(救い出せる時間は、限られていた。)
「くっ・・。」
ゴボボッ・・!
「・・ああっ。」
(白は、滝の様に水を生み出し。 牢獄の奥へ、送り込んだ。)
『行け。』
(水は、黒い波を押し返し。 晃の進む、道を開いた。)
『夏樹。』
(晃は、息を止め。 黒い波の中に飛び込んだ。)
(“障壁”は、晃の力を奪い。 思う様に、木々を生み出すことが出来ない。)
(それでも晃は、次々と枯れる、木々の間から。
新たに、新芽を。 枝を生い茂らせ。)
(木々が朽ちて行くよりも早く。 新しい命を、生み出し続けた。)
「ぐっ・・。」
ザバァッ!
ザバザバザバッ!
「あああっ!」
(黒い波に、木々は、枯れ。 黒い飛沫の間に。 折れ、枯れて行く茶色い葉が舞う。)
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