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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-118


(晃の手は、衝撃に、出血したが。
それでも、夏樹の眠る、牢獄の奥へ。 手を伸ばし続けた。)

ザザザザッ!

(生い茂る木々は、晃に応え。 朽ちながらも、晃を。 地下牢の前まで、
送り届けた。)

ガッ!

(晃は、流血する手のまま。 夏樹の眠る牢獄の最奥へ辿り着き。
夏樹を捕えている、牢に。 血に染まる手を掛けた。)

バリリッ!

バシッ!

ビシシッ・・

(晃の両手は、焼け。 辺りに、血飛沫が舞う。
それでも晃は、牢から両手を離さず。 満身の力を込め。 自らの手と、
振り絞り、生み出す、木々で。 牢をこじ開けた。)

「がぁっ!」

次第に、押し広げられて行く隙間に。 晃を援護するように、
白の生み出す、水流が、流れ届いた。)

ガガッ・・!

ザババッ・・!

(晃の黒い瞳が、鋭く。 波の向こうに。 牢の中に。 眠る夏樹を捉えた。)

「・・開け。」



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