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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-119


「夏樹。」

「目を、覚ませ。」

(晃は、両手で、牢をこじ開けながら。
瞳の奥で、聖を思い描いた。)

ドクンッ

「必ず、助ける。」

(聖が居ない今。 それが出来るのは、自分しかいない。)

ガギッ・・!

(もう一つの異空間扉が開き。 傷つく晃の手の上に。
分厚く、力強い手が。 牢を、押し広げた。)

「剛・・!」

(剛は、白の力に援護され、晃の元に、辿り着いた。)

「ぐああっ!」

(剛の皮手袋の手が、焼け。 特別な物質で創られた、牢が。
押し広げようとする、剛の力を奪った。)

(それでも剛は、怪力を発揮し。 人が通れるほどに、
牢をこじ開けた。)

「待ってろよ・・!」

「夏樹〜!」

「今、助けるからなぁ!」



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