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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-122


(駆は、傍で、チイを抱え、身を伏せた。)

バリバリバリッ

トプンッ・・

(紫苑の身体は、空間扉の奥。 黒い波の中に消えた。)

「夏樹・・!」

(ソラは、魔法を絶やさぬよう。 扉の向こうに、水色の火花を散らし、
念じ続けた。)

***

・・トプンッ・・

(紫苑は突然、外の騒音から切り離され。
静かな。 夜の海の中に、浮かんでいる様だった。)

・・トプン・・

(暗い波の上に。 紫苑は浮かび、立って居た。)

「どこ?」

(そこは、紫苑の他に、誰も居ない。)

トクンッ

(静けさに、緊張し。 胸が高鳴る。)

(紫苑は、両手を握り。 物音を聞き逃すまいと。
息を飲んだ。)

チリン・・



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