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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-124


「はぁっ・・。 はぁっ。」

(紫苑は、少年を追い掛けた。)

バササッ!

(紫苑の背中には、ソラが与えた守りの魔法が輝き、
黒い水面に、白い羽根を羽ばたかせた。)

***

ガッ!

(晃は、満身の力で、夏樹の身体を掴み。
剛が、夏樹を捕えている、魔法の糸を引き千切った。)

「(ごぼっ。)」

ザババババーッ!

(黒い波に押され、何も見えない。)

(激しい力が、水流の様に、流れ出て。 三人を押し流した。)

ドバアアアーッ

「(ぐわっ。)」

(晃は、目を閉じたが。)

(両腕で、傷ついた夏樹の身体を支えた。)

(息をすることが出来ない。)

(水流に、飲まれないよう。 夏樹を自身の身体で覆った。)



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