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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-130
(白の身体は、水にびっしょりと濡れていた。)
「・・良かった・・。 艶ちゃん・・。」
(白は、近寄った艶の細い腕を、うつ伏せに倒れたまま。
ぎゅっと、片手で掴んだ。)
(目を開けることは出来ず。 薄く、微笑んだ。)
「・・馬鹿者。」
(白は微笑むと。 がくりと力を無くし。 艶の腕から、その手は落ちた。)
***
ザバババッ・・!
(数馬の前にも、その波は、訪れていた。)
「数馬くんっ!」
(蒲公英と、桜は、恐怖におののいた。)
「このっ!」
(数馬は、桜ヶ丘の、豊かな緑を生み出す。 土の中から。
無数の動物たちを、形作り。)
(押し寄せる、黒波に、立ち向かわせた。)
ドドドッ・・!
(蒲公英は、桜に抱き付き、その様子を見守った。)
「数馬くんっ・・!」
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