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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-131


「きゃぁぁぁ〜っ!!」

(蒲公英は、叫び。 桜は強く抱き寄せた。)

ボトッ・・ ボトトッ・・

バシャシャッ・・!

「はぁっ・・、はぁっ。」

「夏っちゃん!!」

(無数の動物たちは、折り重なり、黒い波を押し返すと。
土塊に、砕け落ちながらも。 数馬の指示を守り。)

(蒲公英と桜のいる、桜ヶ丘の街を守った。)

***

ゴオオッ!

(晃は、夏樹を腕に抱き。 黒い波の中で、耐えていた。)

(光と葵、白のおかげで。 異空間の狭間に、落ちることは免れた。)

(暗い、海の中のような場所で。 晃は、視界を奪われ、立ち止まった。)

「ん・・。」

(静乃からの通信が、届かない場所に来てしまった。)

「はぁ・・。」

(晃は、一瞬。 不思議な静けさの中に居た。)

(辺りには、先程の黒波が、押し寄せているはずだった。)



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