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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-132


(だが、極度の疲労が。 “障壁”が、晃の力を奪い。
五感を失ってしまったかの様だ。)

『・・静かだ・・。』

「ここは・・。」

「どこだ・・?」

(晃は、不思議な感覚に包まれ。
立ち止まった一瞬に。 夜の闇に、包まれてしまったようだった。)

『音が・・、聞こえない。』

(晃は、死を予感した。)

(それでも、今一度。
左手に、強く。 夏樹を引き寄せた。)

「誰だ・・。」

「誰かが居る・・。」

(腕の中に、晃は、夏樹を抱き。)

(目の前に現れる者が。 死神であったならば。)

(夏樹を、引き渡すわけにはいかないと、念じていた。)

グググ・・

(異空間が、引き寄せられる。)

「・・っ。」



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