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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-137


グワッ!

(紫苑を導いた、不思議な少年の残した。 星屑の様な砂が。)

(道筋を照らし。 迷うことは無かった。)

(紫苑は、屋敷へと向かう。 輝く扉を見つめ。 辺りに散る、ぴよの残した
青い羽根と。)

(砂の輝きに。 少年が、紫苑と夏樹を。 送り届けてくれたのを感じた。)

バサッ・・!

ビシャビシャビシャッ・・

ザババッ・・!

ドサッ・・!

(三人は、暗い波の中を抜け。 真夏の太陽が照り付ける、
青空の下に投げ出された。)

「(ごほっ。)・・がはっ・・!」

(晃は、二人を抱き。 “障壁”の重い圧力から解放され。
締め付けられていた喉に、空気を吸いこんだ。)

ボタタッ バシャッ・・

(黒い波の飛沫が、落ち。 芝生の庭に、転がり落ちた、
三人の周りに、飛び散った。)

「晃くん!」

「晃!!」



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